投稿日:2024年11月10日
「こんな映画があるんだ」
はじめてそう思ったのが、岩井俊二監督の『スワロウテイル』でした。
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目次ビデオ屋で、直感だけで手に取った一本
15歳のとき、ビデオ屋の映画コーナーでふと目に留まったのが『スワロウテイル』というタイトルでした。
「タイトルの響きがきれいだな」と思って、ただそれだけの理由で借りた映画。
あの頃の僕は、家も学校も息が詰まるような場所でした。信用できる大人もいなくて、自分の未来にも期待していなかった。
でも『スワロウテイル』を観たことで、「この世界にはこんなに自由な感性で創られたものがあるんだ」と衝撃を受けたのを覚えています。
映画の舞台は“架空の東京”なのに、リアルだった
映画の舞台は、外国人が流入して第二の通貨「イェン」が使われる“円都(イェンタウン)”。
荒廃しながらも生命力に満ちた街の中で、さまざまな人種の人々が必死に生きている。
そのごちゃごちゃした雑多な空気が、自分の生活とも不思議とリンクして感じられた。
自分の知らないどこかの遠い世界の話なのに、妙にリアルで、温かい。
色彩、音楽、演出。すべてが“自分のもの”に感じた
『スワロウテイル』は映像の色合いが独特で、現実とは違う空気がずっと流れている。
YEN TOWN BANDの「Swallowtail Butterfly〜あいのうた〜」が流れたとき、なんだか泣きそうになった。
誰にも相談できなかった気持ちが、映画を通して溶けていった感覚がありました。
映画を“観る”ことが、自分にとってこんなにも大きな意味を持つとは思ってもみませんでした。
“人生が見つかった”という実感
正直、それまで「映画なんて娯楽でしょ」と思っていました。
でも『スワロウテイル』に出会って、僕の価値観は一気に変わりました。
この映画を観てから、自分が何を大切にしたいのか、何を信じていたいのかが少しずつ見えてきた。
映画のワンシーンを思い出すことで、いまも心を立て直せることがあります。
まとめ|『スワロウテイル』は、15歳の自分にくれた地図
この映画は、単なるフィクションではなく、15歳の自分に「ちゃんと生きてもいいんだ」と思わせてくれた一本です。
映画は人生を変える力を持っている。少なくとも僕にとって、『スワロウテイル』はそういう存在でした。
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